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フィールドワーク報告

Global Resource Management and Sustainable Development Goals 2


フィールドワーク報告書

 
理工学研究科 田中海翔
 

本フィールドワークでは、SDGsに対する理解を深めるため、12月14日に京都市北部の京北地区を訪れ、しめ縄づくり体験、地域住民との交流、京都里山SDGsラボ「ことす(KOTOS)」の見学をおこなった。



しめ縄づくりでは、春日神社に奉納するしめ縄を地域住民の方々が作製している様子を見学することができた。また、実際に体験もさせていただいた。

これまでは、しめ縄とSDGsの関わりは正直なところ分からなかった。しかし、材料が稲作の副産物である稲わらであり、本来は捨てられ得るものを資源として循環させていると知ったとき、見方が大きく変わった。身近な素材を無駄なく使う姿勢は、SDG12「つくる責任 つかう責任」に通じている。


さらに、住民の方々が声を掛け合いながら共同で作業し、神社へ奉納する一連の流れは、地域のつながり強化につながると感じた。これは、地域の文化やコミュニティを維持し、住み続けられる地域をつくるという点で、SDG11「住み続けられるまちづくりを」とも関連する。また、しめ縄に用いられる稲わらは、かつて履物(わらじ等)をはじめ、生活の中の様々な道具にも活用されていたことを知った。単に神事のための特別な材料ではなく、稲作によって得られる資源を暮らしの中で最後まで使い切るという、地域の生活知が背景にあると理解できた。


このような「身の回りの素材を工夫して使う、長く使う」価値観は、現代の大量生産・大量消費を振り返るきっかけになると思う。


地域住民との交流では、履修生の自己紹介と研究内容の説明をおこなった。

私の研究では、竹のみを使用してプラスチックの代替となる製品を作製し、環境負荷の小さい生産システムの確立を目指している。


実際に、住民の方々に製品を手に取っていただくことができた。さらに、京北地域では北山杉が栽培されており、木材成型時に発生する切りくず等を有効活用できればよいというお話を伺った。


この経験を通じて、これまで竹を中心に考えてきた資源循環の発想を、木材の未利用資源にも広げ、自身の研究を応用できないか検討したいと感じた。今後は、竹と木材それぞれの利点を活かした材料設計や成形プロセスを考える研究へ発展させたいと思った。


最後に、京都里山SDGsラボ「ことす(KOTOS)」の活動や展示を拝見した。


そこでは、企業人・大学教員・地域の人々など、様々な立場の人がそれぞれの役割から地域での課題解決に関わり、小さな実践を積み重ねていることが示されていた。


この様子を通じて、SDGsを「達成すること」自体を直接の目的として掲げるというよりも、地域での暮らしを少しでも良くするための工夫や対話が積み重なった結果として、SDGsの達成へとつながっていくのだと感じた。


本フィールドワークは、研究者として自分の知見を社会に、とりわけ地域の方々にとって身近で実感の伴う形で還元していくことの重要性を具体的に考える機会となった。

私は工学分野の研究者として、単に利用者の利便性を高める技術を生み出すだけでなく、将来の人々や開発途上国の人々にも寄り添った技術を生み出せるようになりたいと感じた。そのために、地域の現場に根差した課題や資源のあり方を踏まえ、実装まで見据えた研究を進めていきたい。

フィールドワーク
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