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プログラム・コーディネーター 内藤 正典(グローバル・スタディーズ研究科教授)
本コースは、平成24年度の博士課程教育リーディングプログラム(リーディング大学院)複合領域型(多文化共生社会)において、採択された「グローバル・リソース・マネジメント」に由来する。
人間生活の基盤となる資源・エネルギー・インフラ科学と、地球規模の課題群を扱うグローバル・スタディーズの融合を基にした「グローバル・リソース・マネジメント」という文理融合の学際領域を学ぶという理念を継承しつつ、この間10年あまりにおよぶプログラムの実施によって得た知見をもって、2023年度より新たに大学院共通教育科目プログラム「アドバンスト・リベラルアーツ科目群」を構成する「グローバル・リソース・マネジメントコースとして再編する。
大学院学生が社会で広く活躍するために、必要な能力は何であるかと問われれば、広義のリテラシーであるといえよう。これは、いわゆる「読み書き」の能力を指すのではなく、いわば「これまでに得た知識を土台に様々な情報を活用して、未知の問題や困難、危機に対応できる知恵」と換言できる。もちろん大学院での学びによって身につけた専門性が重要であり、その根幹を成すことに疑いの余地はない。しかしその一方、それだけでは十分とは言いきれない程度に社会が変容していることもまた疑いのないひとつの事実である。
このコースでは、専門性とは別の観点から学ぶことを重視する。座学によって自身の専門分野以外の基礎的な知識を身に付けることと同様、災害や資源など地球規模的な課題を抱える現場を訪れ、現場から学ぶ過程や演習を重視する。コース履修生は、他の学生との共修により困難を克服した経験や、協働を通した新たな気付きと刺激から成長を遂げるのである。これこそ、さまざまな要件が絡み、複雑さを増す現実社会の課題解決において求められる汎用的な能力、リテラシーであるといえる。
本コースは、「次の環境」協創コース、「Comm 5.0 AI・データサイエンス副専攻」とならび大学院共通教育プログラム「アドバンスト・リベラルアーツ科目群」を構成するコースのひとつである。コース履修生が大学院生・研究者としての広範なリテラシーを身にまとい、アカデミア、ノンアカデミアに関わらず社会の多様な分野で貢献できる人材を育て、輩出していくことが「グローバル・リソース・マネジメントコースの人材養成目標である。