GRM Students’ Reports
GRM履修生活動レポート
GRMプログラム成果報告書
理工学研究科 花井 宏旭
2025/01/28
・GRM(と文理融合の理念)が自身の博士論文にどのように役立ったか
わたしの博士論文は「協働型の産業用双腕ロボットの高度な道具操り動作と無線モニタリングによるその評価」という題目である.わたしの研究の社会背景は,日本で問題になっている労働人口の減少,それにともなう熟練技術等の伝承である.日本の人口は,減少局面にあり,2024年に72 %程度ある労働人口は,徐々に減少し2055年ごろには50 %を割る見込みである.そうした日本の状況の中で,労働人口の減少,熟練技術の伝承に対処できる技術を研究することは意義あることである.
博士論文について説明する.協働型とは,人とともに共存・協働できるロボットという意味である.ソフトバンクロボティクス,Pepperくんのイメージが近いが,産業用であるため製造工程に導入される産業用途のロボットである.高度な道具操りでは,道具を単純な道具と高度な道具に分類して考察をおこなった.単純な道具はプレートである.水平なプレートにボールを置き,そのボールの運動をボールに直接触ることなく,プレートの運動によって制御することに取り組んだ.具体的には,ロボットの両手にプレートを把持させ,プレート上のボールが円を描くよう制御できるようこころみた.
高度な道具としては楽器を対象とした.楽器の中でも,ミュージカルソーという西洋のこぎり型の楽器を選定した.ミュージカルソーはその曲げを調整することで音階を制御する.ミュージカルソーはその操りに熟練が必要である.人が用いるのと同じ道具をロボットが操るための手法を考察することで人とロボットが道具を共用してのより高度な共存・協働を目指した研究である.協働ロボットは,人と共存できる設計のため重量作業に適していない.そこで,協働ロボットとパワーアシスト装置を組み合わせての制御を検討することで協働ロボットにも重量作業ができる研究を遂行した.
無線モニタリングの研究では,無線センサを計測したい形状にする,すなわち形状を模倣することでさまざまな形状の対象を無線モニタリングする手法を検討した.単純な形状としてボールを選択し,ロボットがプレート上で操るボールとした.無線で取得したデータをもとにカメラを用いないで,無線センサの情報のみでボールの軌道を推定する技術を提案した.複雑な形状の対象として,たまご型のセンサを作成した.たまご型センサを鶏卵の検査工程に使われる搬送機械に実際に適用し,その工業的応用性を検証した.
以上が,わたしが取り組んだ博士論文のおおよその内容である.まとめると,協働ロボットと無線モニタリングを発展させることで社会課題に貢献しようとするものである.
GRMを通じて,ある国で便利,役に立つ技術も国が異なれば,異なる.すなわち一つの技術的な正解が普遍的に共通するものでないということを実感した.そのことも念頭に置いたうえで,協働ロボットという研究対象を考えるうえでもさまざまな応用のかたちを提案できるようにした.協働ロボットと道具という組み合わせにも,単純なプレートの操り,高度な楽器であるミュージカルソーという組み合わせを提案した.さらに,協働ロボットにも重量物を操れるようパワーアシスト装置との組み合わせも検討した.無線モニタリングの研究に関しても,学術的に考察できるボール形状のモニタリングだけでない,たまご形状まで検証をおこなった.たまご形状まで検証をおこない,さまざまな産業への応用,特にここでは食品産業へも提案の技術が応用の可能性があることを示した.このように,単に学術的な研究でおえることなく,世界のどこかの国,地域で活用の可能性があるよう応用に踏み込んだレベルまで検証するという点でGRMが大いに役立ったといえる.
・GRMに参加したことで、自分の学びがどのように広がったか
「Introduction to Social Science and Humanity」や「Introductory Qualitative Research Methods」という講義は,国際関係論(IR)の主な学説を検証し,各学説の基本概念,その核心,補助命題,およびその前提条件を詳しく検討し,また各学説を現代史に当てはめ考察した.また,社会科学に関する理論的な見解では,長い間,文化や文明は垂直的な区分によって捉えられてきた.すなわち,文化や文明は層状化され,階層化されていると見なされてきた.そのため,文化は社会間の関係を理解する上で重要な変数として軽視されてきた.
しかし,冷戦の終結後,世界情勢における文化やアイデンティティの役割が再び注目を集めるようになった.私たちは,社会内の力学や社会間の関係をより深く理解するために,文化的な力の関連性を強調した.これらの講義は国際政治に関するものであった.これらの講義で紹介されたDemocracy Index(民主主義指数)は世界の国々の民主主義の程度を評価するために,エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit, EIU)が毎年発表する指数である.この指数は,政治制度やガバナンスの質を分析し,国を民主主義の成熟度に応じてランク付けする.このDemocracy Index(民主主義指数)にもとづいて世界の国々の政治形態を概観した.さらに明治維新以後における日本の政治形態を,Democracy Index(民主主義指数)を用いてみた.これにより,明治維新後の西南戦争にいたる政治変革をDemocracy Index(民主主義指数)によって説明できることがわかった.
「Introduction to Social Science and Humanity」や「Introductory Qualitative Research Methods」という講義はGRMを通してしか経験することはなかった.これらの講義から,理工学研究科の科目だけでは学ぶことのできない国際政治に関する知見を得ることができた.
「Resource Management for Coexistence and Cultural Diversity」では,「資源」を以下のように捉えた.「資源」という用語は,水,石炭,石油,樹木などの天然資源を指すことが多い.しかし,「人的資源」という言葉があるように,「資源」という言葉の使用は天然資源に限定されるものではない.私たちは,「資源」という言葉の適用範囲は非常に広範囲にわたると考えており,異なる研究分野を結びつけるのに役立つ概念であると考えている.世界では,人々が平和に共存することを妨げる多くの紛争が,非常に小さなものから世界規模のものまで存在している.これらの紛争の多くは,「資源」の不足や非効率的な分配が原因であると考えることができる.したがって,「資源」の適切な管理や開発が,これらの問題の解決に役立つ可能性がある.このコースでは,「資源」の概念の解釈と,この概念に関する問題をどのように解決できるかを学び,「資源」問題についての多くの論点を知ることができた.
「Capacity Development for Coexistence and Cooperative Works」では,グローバル化が進む世界で,自らのキャリアパスを設計し,就職活動に必要なスキルを習得することを目的とした講義をした.
この授業を担当する講師による講義のほか,国際機関,政府機関,グローバル企業など,さまざまな分野からゲストスピーカーやトレーナーが招かれた.ゲストスピーカーは,自身の仕事経験について語るだけでなく,博士課程の学生が大学在学中にキャリアパスをどのように考え,どのようにキャリアを設計すればよいかについても,個人的な見解を共有した.講演以外にも,学生は「プログテスト」と呼ばれる特別なテストを受けることで,社会人になる準備がどの程度できているかを知り,リテラシーと能力を磨く機会を得た.「プログテスト」を受けることで,自身が仕事をする上での特性,向いている業務を知ることができた.「行動力」の点数が高く,これを自信に国際学会等で海外に出張の際には,積極的に研究室見学をおこない,国際的な交流を深めた.
「Introductory Global Studies」では,現代のグローバルな課題(貧富の格差、国境を越えた人の移動,宗教・文化の共生,難民,人間の安全保障など)を取り上げ,その原因と影響を検証し,対応策を探った.さらに,グローバルな問題の研究に必要な主要な視点についての深い理解を得た.実際の事例研究や実務家の洞察を通じて知識を深めながら,是正措置の分析をおこなった.国の発展には,その国の人口が重要である.人口増加に向かう,労働人口を産業発展に活用できるかが人口ボーナス局面にとって肝心である.日本の高度経済成長はこれにあたる.新興国の中では現在フィリピンがこれにあたると言われている.フィリピンについては,「Group Work Practice III」で現地をみてきた.これについては後で述べる.
「Group Work Practice I」では,熊本地震後の復興の様子を現地でみた.地震で隆起した断層をみることで,地震が環境に与える影響の大きさを実感した.災害復興に関する研究者の講演では,災害に関する研究は災害が発生して最新の研究知見が活用され,新たな知見が得られるといった研究の進み方が印象的であった.
「Group Work Practice II」では,琵琶湖を訪れ,フィリピンフィールドワークのための予習をおこなった.
「Group Work Practice III」では,フィリピンの水資源問題をみた.宿泊先において,夜間下水が使えないことを知り,現地の水資源問題を体感した.国,地域により,最適な技術が異なるということを実感した.
「Group Work Practice IV」では,中東諸国の情勢について,ゲストスピーカーからお話を伺うとともに,ディスカッションをおこなった.音楽動画をみることで,その国がどのような外国に憧れをもっているのかなどを推察でき興味深かった.
「Group Work Practice V」では,SDGsに関する議論をするとともに,京都里山SDGsラボ(ことす(KOTOS))を訪れ,SDGsに関する京都市の取り組みをみた.当施設はゴミ処理や再利用に力をいれており,着物のリサイクルなど京都ならではの取り組みがみられた.
これらGRM科目では,専門分野でない領域を多く学んだ.分野の異なった先生や学生と議論した.問題を解決するうえでも技術的なアプローチ以外にも,政治や福祉といった社会政策もある.問題を解決することは,何に困っているのかを考え,アプローチにとらわれず議論することが大事だと学んだ.
・GRMで何を得て、今後の研究/就職活動にどのように役立てていくのか
わたしは,地方独立行政法人京都市産業技術研究所で勤務予定である.当研究所は京都ならではの西陣織や清水焼といった伝統工芸を含めた技術支援と研究活動をおこなう.地域や国によって,適した技術がそれぞれだということを,GRMを通じて実感した.研究所の仕事では,わたしの専門とする分野以外の方とも協力して仕事をしていく場面が想定される.そのようなときにも,GRMで得た問題解決に対する文理融合の考え方で,本当に相手が困っていることを解決できるようさまざまなアプローチができるようにしたい.
わたしの博士論文は「協働型の産業用双腕ロボットの高度な道具操り動作と無線モニタリングによるその評価」という題目である.わたしの研究の社会背景は,日本で問題になっている労働人口の減少,それにともなう熟練技術等の伝承である.日本の人口は,減少局面にあり,2024年に72 %程度ある労働人口は,徐々に減少し2055年ごろには50 %を割る見込みである.そうした日本の状況の中で,労働人口の減少,熟練技術の伝承に対処できる技術を研究することは意義あることである.
博士論文について説明する.協働型とは,人とともに共存・協働できるロボットという意味である.ソフトバンクロボティクス,Pepperくんのイメージが近いが,産業用であるため製造工程に導入される産業用途のロボットである.高度な道具操りでは,道具を単純な道具と高度な道具に分類して考察をおこなった.単純な道具はプレートである.水平なプレートにボールを置き,そのボールの運動をボールに直接触ることなく,プレートの運動によって制御することに取り組んだ.具体的には,ロボットの両手にプレートを把持させ,プレート上のボールが円を描くよう制御できるようこころみた.
高度な道具としては楽器を対象とした.楽器の中でも,ミュージカルソーという西洋のこぎり型の楽器を選定した.ミュージカルソーはその曲げを調整することで音階を制御する.ミュージカルソーはその操りに熟練が必要である.人が用いるのと同じ道具をロボットが操るための手法を考察することで人とロボットが道具を共用してのより高度な共存・協働を目指した研究である.協働ロボットは,人と共存できる設計のため重量作業に適していない.そこで,協働ロボットとパワーアシスト装置を組み合わせての制御を検討することで協働ロボットにも重量作業ができる研究を遂行した.
無線モニタリングの研究では,無線センサを計測したい形状にする,すなわち形状を模倣することでさまざまな形状の対象を無線モニタリングする手法を検討した.単純な形状としてボールを選択し,ロボットがプレート上で操るボールとした.無線で取得したデータをもとにカメラを用いないで,無線センサの情報のみでボールの軌道を推定する技術を提案した.複雑な形状の対象として,たまご型のセンサを作成した.たまご型センサを鶏卵の検査工程に使われる搬送機械に実際に適用し,その工業的応用性を検証した.
以上が,わたしが取り組んだ博士論文のおおよその内容である.まとめると,協働ロボットと無線モニタリングを発展させることで社会課題に貢献しようとするものである.
GRMを通じて,ある国で便利,役に立つ技術も国が異なれば,異なる.すなわち一つの技術的な正解が普遍的に共通するものでないということを実感した.そのことも念頭に置いたうえで,協働ロボットという研究対象を考えるうえでもさまざまな応用のかたちを提案できるようにした.協働ロボットと道具という組み合わせにも,単純なプレートの操り,高度な楽器であるミュージカルソーという組み合わせを提案した.さらに,協働ロボットにも重量物を操れるようパワーアシスト装置との組み合わせも検討した.無線モニタリングの研究に関しても,学術的に考察できるボール形状のモニタリングだけでない,たまご形状まで検証をおこなった.たまご形状まで検証をおこない,さまざまな産業への応用,特にここでは食品産業へも提案の技術が応用の可能性があることを示した.このように,単に学術的な研究でおえることなく,世界のどこかの国,地域で活用の可能性があるよう応用に踏み込んだレベルまで検証するという点でGRMが大いに役立ったといえる.
・GRMに参加したことで、自分の学びがどのように広がったか
「Introduction to Social Science and Humanity」や「Introductory Qualitative Research Methods」という講義は,国際関係論(IR)の主な学説を検証し,各学説の基本概念,その核心,補助命題,およびその前提条件を詳しく検討し,また各学説を現代史に当てはめ考察した.また,社会科学に関する理論的な見解では,長い間,文化や文明は垂直的な区分によって捉えられてきた.すなわち,文化や文明は層状化され,階層化されていると見なされてきた.そのため,文化は社会間の関係を理解する上で重要な変数として軽視されてきた.
しかし,冷戦の終結後,世界情勢における文化やアイデンティティの役割が再び注目を集めるようになった.私たちは,社会内の力学や社会間の関係をより深く理解するために,文化的な力の関連性を強調した.これらの講義は国際政治に関するものであった.これらの講義で紹介されたDemocracy Index(民主主義指数)は世界の国々の民主主義の程度を評価するために,エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit, EIU)が毎年発表する指数である.この指数は,政治制度やガバナンスの質を分析し,国を民主主義の成熟度に応じてランク付けする.このDemocracy Index(民主主義指数)にもとづいて世界の国々の政治形態を概観した.さらに明治維新以後における日本の政治形態を,Democracy Index(民主主義指数)を用いてみた.これにより,明治維新後の西南戦争にいたる政治変革をDemocracy Index(民主主義指数)によって説明できることがわかった.
「Introduction to Social Science and Humanity」や「Introductory Qualitative Research Methods」という講義はGRMを通してしか経験することはなかった.これらの講義から,理工学研究科の科目だけでは学ぶことのできない国際政治に関する知見を得ることができた.
「Resource Management for Coexistence and Cultural Diversity」では,「資源」を以下のように捉えた.「資源」という用語は,水,石炭,石油,樹木などの天然資源を指すことが多い.しかし,「人的資源」という言葉があるように,「資源」という言葉の使用は天然資源に限定されるものではない.私たちは,「資源」という言葉の適用範囲は非常に広範囲にわたると考えており,異なる研究分野を結びつけるのに役立つ概念であると考えている.世界では,人々が平和に共存することを妨げる多くの紛争が,非常に小さなものから世界規模のものまで存在している.これらの紛争の多くは,「資源」の不足や非効率的な分配が原因であると考えることができる.したがって,「資源」の適切な管理や開発が,これらの問題の解決に役立つ可能性がある.このコースでは,「資源」の概念の解釈と,この概念に関する問題をどのように解決できるかを学び,「資源」問題についての多くの論点を知ることができた.
「Capacity Development for Coexistence and Cooperative Works」では,グローバル化が進む世界で,自らのキャリアパスを設計し,就職活動に必要なスキルを習得することを目的とした講義をした.
この授業を担当する講師による講義のほか,国際機関,政府機関,グローバル企業など,さまざまな分野からゲストスピーカーやトレーナーが招かれた.ゲストスピーカーは,自身の仕事経験について語るだけでなく,博士課程の学生が大学在学中にキャリアパスをどのように考え,どのようにキャリアを設計すればよいかについても,個人的な見解を共有した.講演以外にも,学生は「プログテスト」と呼ばれる特別なテストを受けることで,社会人になる準備がどの程度できているかを知り,リテラシーと能力を磨く機会を得た.「プログテスト」を受けることで,自身が仕事をする上での特性,向いている業務を知ることができた.「行動力」の点数が高く,これを自信に国際学会等で海外に出張の際には,積極的に研究室見学をおこない,国際的な交流を深めた.
「Introductory Global Studies」では,現代のグローバルな課題(貧富の格差、国境を越えた人の移動,宗教・文化の共生,難民,人間の安全保障など)を取り上げ,その原因と影響を検証し,対応策を探った.さらに,グローバルな問題の研究に必要な主要な視点についての深い理解を得た.実際の事例研究や実務家の洞察を通じて知識を深めながら,是正措置の分析をおこなった.国の発展には,その国の人口が重要である.人口増加に向かう,労働人口を産業発展に活用できるかが人口ボーナス局面にとって肝心である.日本の高度経済成長はこれにあたる.新興国の中では現在フィリピンがこれにあたると言われている.フィリピンについては,「Group Work Practice III」で現地をみてきた.これについては後で述べる.
「Group Work Practice I」では,熊本地震後の復興の様子を現地でみた.地震で隆起した断層をみることで,地震が環境に与える影響の大きさを実感した.災害復興に関する研究者の講演では,災害に関する研究は災害が発生して最新の研究知見が活用され,新たな知見が得られるといった研究の進み方が印象的であった.
「Group Work Practice II」では,琵琶湖を訪れ,フィリピンフィールドワークのための予習をおこなった.
「Group Work Practice III」では,フィリピンの水資源問題をみた.宿泊先において,夜間下水が使えないことを知り,現地の水資源問題を体感した.国,地域により,最適な技術が異なるということを実感した.
「Group Work Practice IV」では,中東諸国の情勢について,ゲストスピーカーからお話を伺うとともに,ディスカッションをおこなった.音楽動画をみることで,その国がどのような外国に憧れをもっているのかなどを推察でき興味深かった.
「Group Work Practice V」では,SDGsに関する議論をするとともに,京都里山SDGsラボ(ことす(KOTOS))を訪れ,SDGsに関する京都市の取り組みをみた.当施設はゴミ処理や再利用に力をいれており,着物のリサイクルなど京都ならではの取り組みがみられた.
これらGRM科目では,専門分野でない領域を多く学んだ.分野の異なった先生や学生と議論した.問題を解決するうえでも技術的なアプローチ以外にも,政治や福祉といった社会政策もある.問題を解決することは,何に困っているのかを考え,アプローチにとらわれず議論することが大事だと学んだ.
・GRMで何を得て、今後の研究/就職活動にどのように役立てていくのか
わたしは,地方独立行政法人京都市産業技術研究所で勤務予定である.当研究所は京都ならではの西陣織や清水焼といった伝統工芸を含めた技術支援と研究活動をおこなう.地域や国によって,適した技術がそれぞれだということを,GRMを通じて実感した.研究所の仕事では,わたしの専門とする分野以外の方とも協力して仕事をしていく場面が想定される.そのようなときにも,GRMで得た問題解決に対する文理融合の考え方で,本当に相手が困っていることを解決できるようさまざまなアプローチができるようにしたい.
研究活動・その他