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講演会「生まれ変わっても国連」共催

 6月21日(金)16:40から、国連開発計画(UNDP)総裁補、日本人初の国連ユニセフ事務次長を歴任された丹羽敏之氏をお迎えし、「生まれ変わっても国連」という演題での講演会が、学外からの参加学生を含む約25名の参加者の元、同志社大学今出川校地良心館2階ラーニング・コモンズで開催された。
本講演は本学グローバル・スタディーズ研究科10周年記念事業の一環として開催されたものであり、グローバル・リソース・マネジメント(GRM)プログラムは、共催として開催に協力した。
 

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日時:2019年 6月 21日(金)16:40 – 18:10

会場:ラーニング・コモンズ プレゼンテーションコート

(同志社大学 今出川キャンパス 良心館2F)
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 講師の丹羽先生は、国際公務員としてこれまでガイアナ共和国やネパール連邦民主共和国、イエメン共和国、タイ王国といったフィールドの最前線とニューヨークの国連本部での36年間にわたる勤務経験を実名・実例を挙げながら紹介され、参加者は聞き入っていた。
 「平和構築」というありきたりの言葉だけではない、災害復旧や開発援助、人道支援といった仕事について、実際に被災したネパールやイエメンの大地震からの災害復旧経験や、赴任後に起こったイエメンでの内戦に大変心を痛めておられる様子、国連本部での勤務中に9.11世界同時多発テロに遭遇したときの実体験も交えながら、余すところなくお話しいただいた。中でも、コフィー・アナン国連事務総長からキャピタル・マスタープラン・プロジェクト執行部長に任命され、9.11後、絶対不可能だと言われたニューヨークの国連本部施設の総建替計画(2008-2014)を実現させた貴重な経験は、他では聞くことのできないものであった。
 
 約70分間の講演の後、参加者からの質問を受け付ける質疑応答の時間が設けられた。
 参加者には、学部1年生や2年生といった学部生やGRMプログラムに参画していない学部・研究科からの参加者が多く、「ご自身のこれまでを振り返ったとき、学生が今の段階で取組むべきと考えることは何か。」や、「現地で異なる文化に身を置く中で出会った困難や、それを乗り越えるときに大変だったことは何か。」といった、学部生ならではの素朴かつストレートな質問がいくつも寄せられた。昨今では稀に見る活発な質疑応答となり、講師の丹羽先生も当初の予定を延長して一人ひとりの質問に丁寧に対応いただいた。その中でも「いまや国連も多文化であり、様々な文化や価値観が複雑に存在している。文化も社会的背景も様々に異なる相手との間において、自身の価値判断と違うことも数多くあるが、自らと異なる価値判断や文化に涵養であれ。」というメッセージは、多文化共生社会の実現を掲げるGRMの理念と大いに通ずるものがあった。
 予定の時間を超過してイベントを終了した後もなお、講演中に質問しきれなかった複数の学生が列を成して質問に行く姿があった。参加者がこの貴重な機会を逃すまいと何かを得ようとしているようで、とても印象的であった。

 今回の講演がきっかけとなり、世界のまとめ役として活躍する国際公務員が、今後一人でも多く生まれることを願ってやまない。

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